
近代医学は診断や医療技術の進歩と共にめざましく発展しました。ところがその一方では、身体の不調を訴え、様々な生活習慣病に悩む人が余りに多いのも現実です。 本来、病気が治るのは、生命にそなわる潜在的回復力=自然治癒力によるものであり、薬や治療はそれを補助し促進するものにすぎません。
では、生命にそなわる自然治癒力を最大限に発揮させ、本当の健康を回復し、さらに一層増進するにはどうすればよいでしょうか。
生活習慣病に至った経過をよく観察すると、その多くが、誤った食事(偏食・不自然食・過食)に、運動不足とストレスが重なって生じたものです。言いかえると、誤った食事・運動不足・ストレスは病気の原因になるばかりか、自然治癒力をも低下させるのです。そのため、生活習慣病を根源的に克服するには、食事・運動・心等の状態を総合的に把握して、マイナス要因をプラスに転化することが必要です。これが、人間の自然治癒力を最大限に発揮する総合的でしかも積極的な治療方法にほかなりません。
私は、これまで、癌を含む重症生活習慣病の自然療法を行う、日本国内、アジアそして欧米の多くの病院・センター等を視察してまいりました。そして、これらの施設のすぐれた医師や治療家との交流を通じ、ライフスタイルと自然治癒力こそがキーポイントであるとの意を一層強くいたしました。
私たちは、病や痛みによって、自らの心身と生活について深く考える機会を、身体という自然から与えられているのです。食事・運動・休養等のライフスタイル要因をプラスの状態にすることは、病の治癒にとどまらず予防にもなり、みずからの活力と創造力を開発する可能性をも持っているのです。人間の精神と肉体に宿る自然の力は決して過小評価すべきではなく、十分に育み養えばすばらしい力を発揮するのです。
穂高養生園 福田俊作